国際協力NGO
国境を越えて活動をするNGOのなかで、人権、平和、環境、開発など、地球的規模での援助活動をおこなう民間団体について、「国際協力NGO」と呼ぶことがあります。
国際化が進むとともに、こうした活動は増加しており、活動の場も広がってきています。
活動が注目を集めるようになったのは、
1970年代末のインドシナ難民に対する緊急救援事業が契機であるといわれており、その後、1980年代に入ると、その数が急速に伸びました。
なかでも有名なのが、里親制度を広める活動で知られるフォスター・プラン協会で、
年間収入は10億円を超えるといわれています。
一方で、年間収入数百万円以下という小規模な団体も多くみられます。
環境NGO
環境NGOとは、リサイクルや、自然保護に取り組むNGOで、有名なのはグリーンピースや日本野鳥の会といえるでしょう。
こうした巨大な環境NGOが存在する一方で、地域社会に密着した小規模なリサイクルグループも多く存在します。
この分野のNGOは環境保護の意識の高まりとともに増加傾向にあり、
1992年の地球サミットでは、政府の対等なパートナーとして位置付けられ、
社会的な地位を確立することとなりました。
その後、1997年の地球温暖化防止京都会議で、環境NGOが大きな役割を果たしたことは、広く知られるところでしょう。
国際交流団体
外国や在日外国人との交流を推進するNPOは、般的に「国際交流団体」と呼ばれています。1980年代の終わり、自治体により、国際交流会館の建設や国際交流協会の設立がさかんにおこなわれ、国際化への取り組みが活発化した時期に、これらの団体が多く生まれることとなりました。
その後は、外国人労働者の増加にともなう地域の国際化や国際交流の活発化により、日本語教室の開催や生活相談など在日外国人へのサポートなど、多様化が進むようになっています。
企業との違い
企業とNPOの大きな違いは、活動目的の営利性にあります。
すなわち、企業が事業で上げた収益の分配を目的とする営利団体であるのに対し、
NPOはミッションの追及を目的として収益の分配をおこなわない非営利団体となります。
たとえば、企業が、公益的な事業活動をおこなうような場合でも、
目的は利益の追求であるため、採算性のない領域での活動はおこなわれないというのが前提となります。
これに対して、NPOでは、収益の分配が目的ではないため、採算に合うかどうかは活動の第一基準とはならず、ミッションの実現に必要な場合には、採算を度外視した活動がおこなわれうるわけです。
行政との違い
営利を目的としない活動をおこなう団体としては、NPOのほかに、行政もこれにあたるといえますが、行政の場合は、行政圏内の社会問題全般が活動テーマとなるのに対し、
NPOでは、構成員の自由な合意によって決められる、ある程度限定されたミッション(使命)が活動テーマとなります。
また、行政の意思決定は、議会による決定が義務付けられており、民主制の原理に基づき、原則として過半数以上の賛成を要するとされるのに対し、
NPOでは、役員など責任を担う人の意思が強く影響するようなケースも多く、行政に比べ、より自由な意思決定の方法を有するということができます。
すなわち、NPOの場合、役員は、より自律的な意思決定がしやすいのに対し、行政では、比較的他律的な側面を有することになります。
地域自治組織との違い
営利を目的としない活動をおこなう自治組織という点で、自治会や消防団などの地域自治組織はNPOと共通した側面を有しますが、両者にはいくつかの相違点があります。
たとえば、NPOは組織メンバーの意思により自由にテーマを定めることができるのに対して、
地域自治組織の場合には、地域全体の利益が優先し、扱うテーマはあくまで地域社会の問題に限定されるわけです。
またNPOが、有志による自発的組織であり、特定区域の住民のみの参加に限られないのに対し、地域自治組織の場合には、基本的に特定区域内の住民に参加が限られています。
意思決定の場においても、NPOでは、役員をはじめ責任者の意志などが強く反映されることも容認されますが、地域自治組織では、地域住民全体の利益が優先されるため、全員一致が建て前とされ、多様な意見を調和する意思決定が望ましいとされます。
そのため、NPOでは、組織内で意見が対立するような場合には、独立や分裂がありうるのに対し、地域自治組織では、あくまでも調整的運営が望まれるということがいえます。
ボランティアとは?
NPOの活動について語る時、やはりボランティアという概念に触れないわけにはいかないでしょう。
「ボランティア」とは、ラテン語の"自由""正義""勇気"を意味する「ボランタール」が語源とされており、
自発的な発意に基づき、活動に対する金銭的な見返りを求めずにおこなわれる社会的な活動、またはそのような活動に参加する人をいいます。
具体的な特徴としては、
(1)他からの強制や義務ではなく、自分の意思でおこなう自主性・主体性のある活動であること、
(2)誰もがいきいきと豊かに暮らすために、お互いに支えあい、協力しあうという社会性・連帯性のある活動であること、
(3)お金に代え難い出会いや発見、感動などに価値を見出し、基本的には、金銭的な報酬を期待せずにおこなう無償・無給の活動であること、
(4)今の社会に何が必要かを考え、よりよい社会をつくり出すという創造性・先駆性のある活動であること、
という4つのポイントを挙げることができます。
NPOとボランティアの関係とは?
NPOとは、営利を目的とせず、ある社会的な課題の解決のために活動する非営利/非政府組織であり、
ボランティアとは、自発的な発意に基づいて、活動に対する金銭的な見返りを求めずにおこなわれる社会的な活動、またはそのような活動に参加する人を意味します。
すなわち、NPOとは組織をあらわした呼び名であるのに対し、
ボランティアは、個人の活動または個人に対する呼び方ということができます。
この点、「NPO=ボランティア団体」と考えている人も多くいるようですが、実はそうではありません。
NPOの活動にとって、ボランティアが重要な役割を担っているということはいえますが、
一定規模以上の活動を継続的におこなうために、専門家や専従のスタッフが必要な場合、
有償のスタッフを確保するということは一般的なことであり、「NPO=ボランティア団体」という理解は事実とは異なることになります。
有償ボランティアって?
労働賃金などの対価に比べ、低額ではあるものの、なんらかの対価の給付がともなうボランティア活動について、有償ボランティアと呼ぶことがあります。
対価については、金銭のほかに、地域でサービスを受ける際に使える地域通貨(地域マネー)などがこれにあたります。
この有償ボランティアという概念については、
本来、無償を意味する「ボランティア」が有償であるというのは矛盾しているとして議論を呼びましたが、
そもそも、この有償無償の概念自体が相対的であり、この議論自体には、あまり意味がないということができます。
すなわち、一般的に言われる有償、無償とは、
(1)交通費など活動にともなう実費はすべて自己負担、
(2)交通費などの実費は支給されるが、食費など日常的に必要となる費用は自己負担、
(3)活動中の食費も「外食」にあたるため、活動先から支給、
(4)交通費などの実費のほか、「最低賃金よりも低い謝礼」の支給、
(5)「相場に応じた報酬」の支給までの段階のうち、どこまでを無償とし、どこからを有償とするかの線引きが難しく、前提となる概念自体があいまいなわけです。
しかも、現在は、営利を目的としない市民活動は、すべてNPOの概念に含まれると考えられるため、有償無償の妥当性という議論自体が不要で、有償か無償かは活動スタイルの違いに過ぎないと考えられるのです。
結局、ある一定の対価を得る有償ボランティアも、市民の自主的な社会活動という点で、大いに評価しうるといえるでしょう。
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