2011年7月29日金曜日

国連UNHCR

http://www.japanforunhcr.org/a_africa_somalia_n_19



過去数年にわたり、ケニアはモガディシュ、ジュバ川下流域のキスマヨ(Kismayo)、ジャマーメ(Jamame)、アフマドゥ(Afmadow)からソマリア難民を受け入れてきました。1997年のモンバサ難民キャンプの閉鎖にともない、帰還しなかったソマリア難民はダダーブとカクマの難民キャンプに移動しました。この時以来、新たに到着する難民はすでに多くの難民が避難しているダダーブ・キャンプで避難生活をしています。2007年初旬、ソマリアと接するケニア国境が正式に閉鎖されたにもかかわらず、2008年には6万人以上のソマリア人がケニアへと入国しました。ソマリアで続く暴動による難民の流入は、今後数ヶ月続くと予測され、深刻な干ばつ、食糧不足や大洪水が追い打ちをかけています。

ソマリアの社会不安とケニア国内への難民の流入により、ケニア政府と人道支援団体の財政は圧迫されています。新たに到着した難民は、当初の収容能力の3倍もの難民を受け入れているダダーブ(ダガハレー、ハガデラ、イフォ)難民キャンプに身を寄せています。ソマリア内戦の政治的解決なしには、現在25万人近くものソマリア難民を受け入れているケニアの人道的状況は依然として危機的な状態が続くことになるでしょう。ケニア当局、UNHCR及びその他の国連機関や人道支援団体は、ソマリア難民全体の生活状況を改善するために緊密に連携をとっていますが、援助ニーズは莫大であり、現レベルの財政支援では不十分です。12万人とも予測されている2009年新たに到着する難民や、現在も避難生活を続ける難民の最低限の生活水準を満たし、必要不可欠な支援を提供するために、当初予測されていたUNHCRの2009年年間プログラム予算を超えた、さらなる人道・財政支援が必要です。

ダダーブにおけるUNHCRの人道支援のための合計要請額は9150万ドル(約8億2600万円)となり、そのうちの2140万ドルは年間プログラム予算の中のUNHCRグローバル・アピールにすでに含まれています。運営における深刻な格差をなくし、また4万人から6万人の収容が可能な2つの難民キャンプを設置し、ダダーブ難民キャンプのソマリア難民の生活状況を改善する活動を支えるため、UNHCRはこの7014万9109ドル(約6億3300万円)の追加資金援助を求めています。これにより、過密状態にあるダダーブの3つの難民キャンプの混雑を緩和し、新たに到着する難民への緊急援助が可能になります。

2009年ソマリア情勢追加支援プログラム(2009 Somalia Situation Supplementary Programme)に含まれている、ケニアに避難するソマリア難民のための資金要請はこのアピール内に組み込まれます。

緊急に人道支援を要するものには、保護および法的支援、一次医療、水や衛生設備、シェルター(仮設住居)、食糧以外の必需品、教育、薪、HIV/AIDSの予防と治療、そして特定の援助ニーズがある人びとへの対処が含まれます。


ケニアにおける総難民数 307,352人
(2008年11月現在)
ソマリア人 246,929人
スーダン人 28,378人
エチオピア人 21,818人
ルワンダ人 2,516人
ウガンダ人 2,789人
コンゴ人 2,878人
ブルンジ人 1,299人
エリトリア人 735人
その他 0人

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ケニアのダダーブ難民キャンプに滞在中の国連UNHCR協会 事務局長 根本かおるから届いた、現地からの緊急報告です。2009年3月25日


このダダーブ周辺の3つの難民キャンプに、3月13日現在で26万人の人々が暮らし、その数は毎日増え続けています。もともと収容能力が9万人しかないところに、3倍近くの人々が身を寄せ、その97%がソマリアからの人々です。キャンプ人口は2008年初めに比べるとおよそ50%の増加。2009年初めに対しても、既におよそ10%増えています。そう、ソマリアの内戦の激化で、月に数千人単位でソマリアからケニアのダダーブの難民キャンプに人が避難してくるのです。今年に入ってからだけでも、新たに2万人の人々が逃げてきました。



「モガディシュの銃撃戦で夫が亡くなり、身重の体で子ども二人を連れてケニアに逃げてきました」「モガディシュでの衝突がひどくなって、近所の人たちはロケット砲を受けて大勢死にました。逃げるときも、死体をたくさん目にしました」 - 出会う人、出会う人、ソマリア内戦を象徴する、想像を絶するような逃避行の経験を語ります。



3月23日、難民登録センターに行ってみました。センターが始まる1時間前の午前8時、周囲からぞくぞくと人がUNHCRとケニア政府の登録センターの前に集まってきます。優に1000人を超える人々が登録の開始を今か今かと待っています。我先にという緊張感が張り詰め、ピリピリ、イライラとした空気が支配しています。


この登録センターには23人のスタッフが配置され、一日500人程度の登録作業を行うことができます。その日に登録してもらえない人には、後日来るようにとの予約票が渡されます。登録センターの敷地内に入ると、子どもの予防接種を経て、登録センターの中に誘導されます。センターの中は、外の緊張感と混乱とは打って変わって、作業が粛々と行われていました。まず、UNHCRの登録スタッフが家族ごとに聞き取り調査から得られた基礎データ、顔写真、そして指紋をコンピューターで採取して入力し、今度は別室でケニア政府がインクで指紋を採取。さらに食糧配給カードが配られます。



そして最後に、土地の割り当てを待つ人々のリスト。そう、難民として正式に登録されて、食糧配給カードがもらえても、収容能力をはるかに超えたダダーブのキャンプでは、昨年の8月ごろから新たに登録された難民たちに割り当てる土地がありません。UNHCRでは、親戚や知人のところに身を寄せるように難民たちに異例のお願いをしているのです。



3月22日に出会った女性は、キャンプの病院で生まれた生後10日の女の赤ちゃんを抱いていました。「今年2月に難民キャンプにたどり着き、難民登録も食糧配給カードももらいました。でも、私には住む場所がありません。知り合いを頼って、転々としています」。



ダダーブ周辺の3つの難民キャンプのひとつ、イフォ・キャンプ。このキャンプのへりに、UNHCRマークのテントが密集して並ぶ地区があります。昨年、ソマリアから人が大量に避難し始めたころにつくったものですが、UNHCRでは、昨年秋以降、こうしたテントを建てる場所もないのです。テントの横には、棒切れとぼろを継ぎ合わせて作った小さなテントが作られ、親戚を頼って避難してきた人々が身を寄せています。「いつになったら自分の住む場所がもらえるのか」 - イフォ・キャンプに足を踏み入れた瞬間、答えのない質問が矢継ぎ早に浴びせかけられました。



「ケニア政府からの土地が提供されて、新しいキャンプができるまで、とりあえず親戚縁者、知り合いを頼って、身を寄せてもらうようにお願いしています。でも、みんな生きるのに必死です。近しい家族でなければ、すぐにお荷物になって、追い出されてしまうでしょう。私たちは基本的な保護もできていません。まさに異例の事態です」と語るのはUNHCRダダーブ事務所のアンディ・ニーダム対外調整担当官。水、トイレなどの衛生設備なども、これだけの人口密集でなかなか行き渡らず、これが人々の苛立ちを増しています。



9万人の収容能力しかないところに、現在およそ3倍の26万人が暮らす - 混雑の緩和のためにUNHCRは二つのキャンプを増設する計画で、ケニア政府に対して土地の提供を強く要請しています。






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